ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した球状星団「NGC 2210」

こちらは約16万光年先の大マゼラン雲(Large Magellanic Cloud:LMC、大マゼラン銀河とも)にある球状星団「NGC 2210」です。球状星団は数千~数百万個の恒星が重力で球状に集まっている天体です。もしも球状星団の中心付近にある惑星で夜空を見上げたら、空がたくさんの星で満たされているように見えることでしょう。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された大マゼラン雲の球状星団「NGC 2210」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Sarajedini, F. Niederhofer)】

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された大マゼラン雲の球状星団「NGC 2210」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Sarajedini, F. Niederhofer)】

球状星団は非常に安定した天体であり、宇宙でも最も古い天体のひとつとされています。欧州宇宙機関(ESA)によると、2017年の研究ではNGC 2210の年齢が約116億年と推定されており、天の川銀河のハロー(銀河円盤を取り囲む球状の領域)で発見された最古の球状星団の幾つかに近い年齢だとされています。同じ研究の対象となった大マゼラン雲の球状星団のうち4つは、年齢が130億年を上回っていました。これらの観測結果は、独立して形成されたはずの天の川銀河と大マゼラン雲それぞれに存在する最も古い球状星団が同時期に形成されたという興味深い事実を物語っているといいます。

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冒頭の画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」と「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータをもとに作成されたもので、ESAから“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として2023年12月4日付で公開されています。

 

Source

文/sorae編集部

 

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