月のクレーターには人名が付く? 日本の探査機が着陸めざす地点にも

月面のクレーター出典: NASA
月面着陸、成功すれば5カ国目
昨年9月、日本の主力ロケット「H2A」に載せられて、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。順調に飛行を続け、着陸の準備を進めています。

月面に着陸する探査機SLIM(スリム)のイメージ出典: JAXA
降りやすい場所に着陸するのではなく、狙った場所に降りるという「ピンポイント着陸」が目標です。ほかの国も月面探査を目指す中、日本は高い着陸技術を確立しようということです。
科学者の名やファーストネーム
そもそも、月の表面には隕石が衝突してできたクレーターが多数あり、そのクレーターには、天文学者や有名な科学者、宇宙飛行士にちなんだ名前がつけられているものがたくさん存在します。

月の表面に見える大小のクレーター出典: NASA
月のクレーターや地形の名前は、国際天文学連合(IAU)が命名のルールを決めていて、IAUによって承認されなければいけません。
ルールとしては、例えば、月面の大きなクレーターには、すでに亡くなった有名な科学者や学者などの名前が使われます。政治的、宗教的、軍事的に関わる人物の名前は使えません。
小さなクレーターには、一般的に使われる名前(ファーストネーム)が使われます。
1969年に人類初の月面着陸をしたアポロ11号の3人の宇宙飛行士(アームストロング、コリンズ、オルドリン)の名前が付けられているクレーターもあります。

月面に立つアポロ11号の飛行士と星条旗出典: NASA
メンバーは、こう名付けた理由について「スリムの着陸技術は、月探査の新時代を切り開くことが期待されています。スリムが、歴史のターニングポイントに挟まれる『栞(しおり)』となるよう願いを込めました」といいます。
プロジェクトを指揮する坂井真一郎さんは「かなり難しい挑戦になります。が、私たちチーム、関係者、そして、たくさんの人の思いが詰まったスリムなので、なんとしても着陸を成功させたいです」と意気込んでいます。
スリムの月面着陸は20日午前0時20分ごろの予定。JAXAのYouTubeチャンネルでもライブ配信があります。